私事

休業補償給付支給請求書(様式第8号)の書き方とテクニック

休業補償給付支給請求書(様式第8号)の書き方とテクニック

精神障害の労災申請をすると、認定か否かの判断まで6か月~12か月程度の時間がかかります。
実際、私は労災申請を行い8か月経過した今でも、未だに結果待ちの状態です。

精神障害の発症の原因が業務によるものか否かの判断が複雑のため、調査に時間がかかります。

そのため、まずは休業補償給付支給請求書(様式第8号)を提出しましょう。
様式第8号を提出すると、労災申請したとみなされ、労働基準監督署が本格的に調査を開始します

申立書や出来事を証明する証拠は順次提出していくと、書類作成や証拠集めの負担が減ります。

今回の記事では、様式8号を労働基準監督署に提出するまでに必要な手順をお伝えします。

様式第8号の進め方

  1. 労災申請者(わたしたち)が、様式第8号の該当箇所を記入。
  2. 会社に事業主証明と、様式第8号別紙1(平均賃金算定内訳)の作成を依頼する。
  3. 病院に署名を依頼する。
  4. 労働基準監督署に提出する。(労災申請)

会社に事業主証明をもらったり、病院の署名をもらったりするには、早くても2週間以上の時間がかかると思います。

そのため、まずは様式第8号の準備を進めて、待ち時間にほかの作業を行うと効率良く進められます

休業補償給付支給請求書(様式第8号)のサンプル

休業補償給付支給請求書(様式第8号)のサンプル

様式第8号には、あなたの基本情報(名前や住所)、けがをした日、医者に診てもらった日、働けなかった期間などを記入します。

そして、あなたが治療を受けた病院の署名と、会社の署名が必要になります。

様式第8号やそのほかの書類は、以下のサイトから確認できます。
主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式)
様式第8号PDF ← こちらをクリックすると様式第8号PDF画面に飛びます。

厚生労働省

申請者が記入する欄を埋めます。

様式第8号の記入例

様式第8号
  • 赤色「会社に記入してもらう箇所」
  • 青色「病院に記入してもらう箇所」
  • 緑色「わたしたちが記入する箇所」

詳しい書き方は「休業(補償)等給付 傷病(補償)等年金の請求手続」パンフレットに記載してありますので、労働基準監督署の初回相談時に入手してください

休業(補償)等給付 傷病(補償)等年金の請求手続パンフレット

下記、パンフレットPDFのリンクになります。

休業(補償)等給付 傷病(補償)等年金の請求手続パンフレットPDF

厚生労働省

パンフレットに書き方の例が記載されているため、ここでは特定の箇所のみ記入例を紹介します。

様式第8号記入例
厚生労働省 休業(補償)等給付 傷病(補償)等年金の請求手続パンフレット

氏名、住所、銀行口座など、基本的な個人情報は問題ないとして、発病日や休業期間はクセのある記入方法です。

6番(労働者の生年月日)、7番(負傷又は発病年月日)、13番(療養のため労働できなかった期間)の日付を記入する際、頭文字には元号を記入します。令和は「9」、平成は「7」、昭和は「5」となります。

例1:生年月日が1996年3月18日生まれの場合(平成8年生まれ)
 6番(労働者の生年月日)→080318平成記号「7」と、平成8年3月13日生まれ「080318」を合わせる)
例2:発病年月日が2024年1月16日の場合(令和6年)
 7番(負傷又は発病年月日)→060116令和記号「9」と、令和6年1月16日発病「060116」を合わせる)

発症日については、はじめて病院へ行った初診日を書いてください。提出後に変更可能です

精神疾患は、いつ発症したのか本人もわかっていないケースがあります。私も記憶が曖昧でした。

あの時期から、体調が良くない状態が続いていたかな・・・たぶん。

私が社労士に相談した際、「発症日は初診日を書いて提出すれば問題ありません。後から変更可能です。」とアドバイスをいただきました。

後日提出する、申立書には「精神的な症状はいつ頃から始まりましたか」という質問事項があります。

ここに自分の体調不良を感じ始めた日付を記載していれば、監督官の方から発症日について質問があり、下記のような事務的な流れで変更することが可能です。

なぜ様式第8号に記入した日付と異なるのですか?

とりあえず初診日を書いておくよう、社労士からアドバイスを受けました。

わかりました、それでは修正します。

このような事務的な流れで変更することができました。

裏面37番「災害の原因」 私が実際に記入した例

32番「負傷又は発病の時期」に時刻を記入する箇所があります。しかし、精神障害は発生時期が曖昧なため、空欄で提出しても何も言われませんでした

37番では、業務上の事故や体調の状態、事故が発生した状況、業務上の病気の症状や原因などを記入します。

ポイント

概要が伝われば良し

パンフレットには、37番の書き方の補足が記載されています。

(あ)どのような場所で、(い)どのような作業をしているときに、(う)どのような物または環境に、(え)どのような不安全または有害な状態があって、(お)どのような災害が発生したか、(3)7番と初診日と災害発生時が同じ場合はその日の所定労働時間内に通院したか、7番と初診日が異なる場合はその理由を記入してください。

厚生労働省;休業(補償)等給付 傷病(補償)等年金の請求手続パンフレット

出来事の詳細は、申立書を作成して提出するため、様式第8号については概要だけ記入すれば問題ありません

私が実際に提出した文章のサンプルを掲載します。

身バレを防ぐため、一部変更しています。

令和4年3月、新しい課に配属となり、業務が急激に増加した
上司を指導する立場となる。しかし上司は協力的でなく、報復とみられる嫌がらせが続き、強いストレスを毎日感じていた
同年5月、会社指示により研修を受講。業務はさらに多忙になった。勤務時間内では終わらないほどの業務量を抱えていた
加えて、私の下期ノルマが大幅に上がり、ノルマ達成に強いプレッシャーを感じていた
同年9月、体調を崩した。以降、強い倦怠感や意欲低下の症状が次々に現れた。
睡眠障害が発生し、涙が止まらなくなったため心療内科を受診。うつ病と診断される。

ハラスメントを行った人物名は出していません。様式第8号は出来る限り、簡潔に記入しました。

理由は、事業主証明をもらえる可能性を上げるため。ハラスメント加害者(本人は加害者とは思っていない)や社長を油断させる戦略を取りました。

精神障害の労災申請で提出が必要になる申立書では、実名入りの各出来事の詳細を、20枚分のA4用紙にまとめて補足説明しました。

申立書の解説は、別記事にて行います。

運が良ければと、あまり期待をせずに提出した結果、無事に事業主証明をもらうことができました。

注意:会社が事業主証明もらえたとしても、会社は民事上の法的責任はありません。ただ記載している内容の事実を認めただけになります。
事業主証明の有無が労災認定に直結するわけではありません。労災認定か否かは労働基準監督署長が決定します

補足:申立書を、会社が見ることはありません。

労災申請者には「申立書」が提出できることと同様に、会社側には「意見書」という書類の提出が認められています。
会社側が意見書を提出する際、会社の資金を使って顧問弁護士や社労士に相談していると考えられます
アドバイスを受けて、在ることないことを主張していると推測します。
わたしたちは、資金力の面で会社に劣ります。
そのため、様式第8号の37番「災害の原因」には、会社が油断するような当たり障りのない文章を書きましょう

会社の証明がなくても労災申請は可能

一度は会社に事業主証明を依頼する必要があります。しかし、会社が事業主証明を拒んだ場合でも、労働基準監督署に「断られました」と伝えるだけで労災申請は通ります

会社が事業主証明をしないというメール履歴や、電話の日時などは控えておいてください。

豆知識集

様式第8号以外の提出書類

様式第8号以外にも、さまざまな書類があります。例えば様式第5号。

様式第8号は「休業補償給付」を受ける際の様式であるのに対し、様式第5号は労災指定医療機関等(労災指定病院)で治療を受ける(療養の給付を受ける)ために用いる様式です。

様式第5号のような医療費の給付は労災認定となってから行います。様式第5号はまだ私も未体験。

労災認定になり、様式第5号を提出した際に詳細をお伝えします。

労災認定になる前提で生活しています。でも毎日不安・・・結果待ちが続く状態は身体に良くないです。

様式第8号・様式第5号、どちらか一方の提出で良い

今回は様式第8号を先に提出する方法をお伝えしていますが、労働基準監督署の調査を開始させるには様式第8号・様式第5号、どちらか一方の提出で良いそうです。

私の場合、初回相談の際に、「様式第8号を先に提出してはどうですか」と相談員からアドバイスをもらいました。

休業補償給付支給請求書(様式第8号)の基礎知識

休業補償給付金を受け取るためには、「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」の提出が必要です。

労災保険制度における休業補償給付は、業務上の理由(仕事中の事故や業務が原因での病気)により労働者が働けなくなった際に、その休業期間に対して支給される給付金。労働者が治療に専念し、生活を支えるための制度です。

記入した様式第8号一式を会社へ郵送

記入した様式第8号一式を会社へ郵送する

記入を終えた様式第8号のほかに、「平均賃金算定内訳(様式第8号 別紙1)」を郵送しましょう。

様式第8号と別紙1を会社に郵送する際、記入例が記載されているパンフレットを同封すると、人事の方の負担が減ります。

休業等給付傷病等年金の請求手続パンフレットのマーカー部分
休業等給付傷病等年金の請求手続パンフレット記入例マーカー

該当箇所にマーカーで印をつけて、どう行動してほしいのか主張しましょう。

労災申請前に労働基準監督署へ初回相談に出向いた際、「様式第8号」と「休業(補償)等給付 傷病(補償)等年金の請求手続パンフレット」を入手してください。(こちらはリーフレットとは呼ばないみたいです)

労災申請前の相談については、こちらの記事で紹介しています。

基礎知識をもう一度確認

こちらの記事の中盤あたりにある「労災申請前の事前準備」→「会社所轄の労働基準監督署に一度は相談すること(労災申請前)」という項目で、労災申請前の相談時に受け取る書類を説明しています。あわせてご覧ください。

様式第8号の提出は、会社を先に

様式第8号の会社「事業主証明」と病院「署名」、この順序は会社・病院どちらが先でも構いません。

しかし私の場合は、会社の事業主証明を先に依頼しました。

理由は、会社側に考える(顧問弁護士や社労士などに相談)時間を与えたくなかったためです。そのため、先に事業主証明をもらう流れで進めました。

「先に病院の署名をもらうように」と会社から指示される可能性を下げるため、人事の方にメールで依頼しました。

記入例を紹介します

人事課 まるまる様
こんにちは。
労働基準監督署から以下のアドバイスを受けました。
 1.まずは会社から事業主証明と平均賃金算定内訳の用紙を記入してもらう
 2.会社の証明をもらったらあとに病院の証明をもらう
 3.労働基準監督署へ提出する
会社が事業主証明をしない場合は、証明しない理由を書面に記載して郵送ください
その書面を提出すれば労災申請が受理される模様です。
大変お手数をおかけしますがご対応のほどよろしくお願いいたします。

このようなメールを送りました。

会社側には助力義務があるため、事業者証明がもらえなくても、平均賃金算定内訳は対応してくれると思います

証拠を残すため、可能な限りメールで連絡しましょう。電話の場合はスピーカーにして、会話を録音するつもりで今後は証拠を集めてください。

会社側が労災申請を止めるように説得してきたらチャンスです。後ろめたさを印象づけるため、労災申請を止めるように言われた事実を労働基準監督官に伝えましょう。

提出書類は小出しにして負担を減らす

労災申請をする際、一度にすべての書類や証拠を提出する必要はありません。

まずは様式第8号を提出して、とりあえず労災申請を済ませて、労働基準監督署が調査を開始する段階まで進めましょう

労災申請後、申立書や証拠を順次提出していくと、申請者・調査する監督官の両方の負担が少なくなり効率的です

会社との連絡や申立書作成・証拠集めはとても大変でストレスがかかります。
どうか無理をせず、少しずつ進めてください。

証拠の集め方は別記事にて解説します。

記事のまとめ

記事のまとめ

今回の記事をまとめます。

労災申請のステップ
・ まずは、様式8号を提出して労災申請する。
・ すると、労働基準監督署が調査段階に入る。
・ その後、申立書や証拠を小出しで提出する。

「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」は、働いている人が病気やけがで働けなくなった時に、給料の代わりにもらえるお金(休業補償給付)を請求するための大切な書類です。

様式第8号を提出すると、労災申請したとみなされ、労働基準監督署が調査を開始します

精神障害の労災申請の判断は6か月~12か月程度の時間がかかります。そのため、まずは様式第8号を提出して労災申請をスタートさせましょう

この記事のシリーズでは、労災申請のプロセスを分かりやすく解説します。
あなたが直面している問題に対処するため、私の実体験に基づいた具体的なアドバイスを提供します。
あなたが抱える不安や疑問を解消し、適切な選択を選べるようサポートします。
あなたの苦痛は事実であり、その苦痛には正当な理由があります。
精神疾患発症の原因が業務であることを一緒に証明していきましょう

次の記事では、病院での受け答えについて、注意点を交えて詳しく説明していきます。

ついに労災申請が始まりました。あなたの労災申請が上手くいくことを願っています。
一緒にがんばりましょう。

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