休職中は無給と就労規則に定められている多いのではないでしょうか。
労災申請をしているときも同様です。しかし、生活費は必要。
無収入で6か月~12か月間生活するのは、経済的に厳しい。
そこで、比較的早い段階で給与の約6割の給付を得られる傷病手当金の申請をしながら、当面の生活費を確保。そして労災申請を進めましょう。
今回の記事では、傷病手当金の申請方法や、労災保険との優遇の違いについて、私の実体験を交えながら紹介します。
傷病手当金申請用紙に、発病や負傷の原因を記入する欄があります。この記事内、私の実体験 傷病手当金支給請求書「発病・負傷の原因」書き方の例文にて実際に私が提出している文言を紹介しています。参考になれば幸いです。
労災申請しながら傷病手当金を受給して生活費を確保する

労災の認定が下りるまでの期間において、働けない状態が続く場合、健康保険組合から傷病手当金を受給することができます。
この手段は、長期間におよぶ労災認定の結果待ちに時間を要する間の、経済的な負担を軽減する一時的な措置として利用できます。
労災認定になった場合の傷病手当金
傷病手当金を受給しつつ労災申請が認定された場合、受け取った傷病手当金は返還する必要があります。
なぜなら、労災保険からの休業補償給付がその期間に対して支給されるため、重複して給付を受けることはできないからです。
労災保険からの給付は、傷病手当金に比べて、より高い補償を受けられます。
労災認定にならなかった場合の傷病手当金
労災認定にならなかった場合、受給していた傷病手当金は返却不要です。
そのまま傷病手当金の給付を受け続けることができます。
(給付条件を満たしている期間に限ります)
ただし、具体的な手続きや必要書類については、健康保険組合によって様式やルールなど微妙に異なるため、所属する健康保険組合や企業の人事労務部門に確認してください。
傷病手当金の概要

傷病手当金は、健康保険に加入している労働者が、病気や怪我のため仕事を休む必要があり、給与の支払いを受けられない場合に支給されます。
この制度の目的は、治療に専念できるように経済面をサポートすることにあります。
傷病手当金を受け取るための基本条件や詳細
傷病手当金を受け取るための基本条件
・健康保険に加入していること: 傷病手当金の請求時に、労働者本人が健康保険に加入している。
・仕事を休んでいること:業務外で発生した病気や怪我により仕事を休み、給与が支払われていない状態である。
・待機期間を経過していること:病気や怪我の初日から3日間は待機期間とされ、この期間は支給対象外。(4日目から支給開始)
・給与の支払いが停止されていること:病気や怪我のために給与が支払われない期間にのみ、傷病手当金が支給される。(有給を使った場合は対象外)
・医師の証明があること:医師の診断により、仕事を休むよう指示されている。
会社には助力義務があるため、待機期間や計算がわからなくても問題ありません。
人事の方に依頼をすれば協力してくれると思います。
傷病手当金の支給額
傷病手当金の支給額は、休業前の平均給与に基づいて計算されます。具体的には、平均給与の3分の2に相当する額が、休業4日目から支給されます。支給期間は、原則として1年6ヶ月が限度です。
傷病手当金の申請方法
傷病手当金の申請は、所属する健康保険組合や会社の健康保険担当部署を通じて行います。
傷病手当金の申請には、以下の書類が通常必要です。
・傷病手当金支給請求書
・医師の診断書
・給与が支払われなかったことを証明する書類(給与明細書など)
これらの書類を準備し、指定された方法で提出します。
申請は、加入している健康保険組合を通じて行います。
具体的な申請方法や必要書類は、健康保険組合によって異なるため、所属する健康保険組合に確認してください。
私の実体験 傷病手当金支給請求書「発病・負傷の原因」書き方の例文
加入している健康保険組合により、傷病手当金支給請求書の様式は若干異なります。
しかし、どんな様式であろうと「発病・負傷の原因」の欄はあると思います。
私が書いた「発病・負傷の原因」
令和4年12月から睡眠障害が発生。4時間未満の睡眠が続く。このような状態が続く中、勝手に涙が流れるようになった。
明らかに異常と感じたため心療内科を受診。うつ病と診断される。投薬治療継続中。
書き方の一例になります。
私はこの文章で申請が通りました。参考になれば幸いです。
申請してから、およそ二週間で支給通知が届きました。
傷病手当金の支給対象にならない例
傷病手当金の支給対象外
・美容整形手術など、病気とみなされないものについては支給対象外。
・有給休暇(年次有給休暇)を使用している期間中には、原則として傷病手当金の申請はできない。
傷病手当金は、病気や怪我で仕事を休み、その結果として給与の支払いを受けられない場合に支給される給付です。
有給休暇を使用している場合、労働者はその期間に対して給与相当額の支払いを受けているため、傷病手当金の支給対象とはなりません。
傷病手当金の概要の補足

傷病手当金は労災保険と違い、傷病手当金の審査は緩い傾向にあります。
申請後、二週間ほどで審査結果がわかります。
健康保険組合への加入期間
健康保険の被保険者であれば、加入している期間に関わらず、傷病手当金の支給条件を満たしていれば申請可能です。
(業務外の病気や怪我で働けなくなった場合)
たとえば、入社1か月の社員であっても、条件を満たせば傷病手当金を受け取ることができます。加入期間の長さは傷病手当金の請求資格に影響しません。
ありがたい制度ですね。
有給休暇と傷病手当金の関係性
有給休暇以降の休業期間については、傷病手当金を申請できます。
申請には医師の証明や、給与支払いが停止状態である証拠を提出する必要があります。
・有給休暇中:給与相当額の支払いを受けているため、傷病手当金の支給対象外です。
・有給休暇終了後:有給休暇を使い切り、それでもなお病気や怪我で引き続き仕事を休む必要があり、かつ給与の支払いがない場合は、その時点から傷病手当金の申請が可能になります。
退職直前や退職後の傷病手当金の申請
退職後でも、退職前に発生した病気や怪我に基づいて傷病手当金を申請することは可能です。しかし、その条件や手続きには注意が必要です。
申請に関する詳細や疑問がある場合は、加入していた健康保険組合に直接相談することをお勧めします。
一般的には、以下のような原則が適用されます。
退職前に発生した傷病について
退職前に病気や怪我が発生し、その結果として仕事を続けられなくなった場合には、退職後も傷病手当金の申請が可能です。
この場合、病気や怪我が発生した時点で健康保険に加入していた必要があります。
傷病手当金の支給は、病気や怪我の初日から起算して3日間の待機期間を経過した後、仕事を休み続けた4日目から支給が開始されます。
注意点1
退職日を含んだ4日間は出社してはいけません。傷病手当金の前提条件である3日間の待機期間を経過していることから外れてしまい、支給対象外になってしまいます。
退職前の挨拶回りで出社すると、条件を満たさなくなるためご注意ください。
注意点2
傷病手当金申請用紙の医師記入欄には、「ストレスと考えます」や「原因不詳」など、業務と関連づけない内容を、医師に依頼してください。
「業務による発症」など、業務内容を発病の原因と医師が記入した場合、労災案件と判断されて、傷病手当金の申請が棄却される可能性があります。
退職する前は挨拶回りのため出社しない、医師の記入欄に「業務上の発症」と記入しない。この2点を注意しましょう。
退職後に発生した傷病について
退職後に新たに発生した病気や怪我については、原則として傷病手当金の対象外です。
傷病手当金は、被保険者(健康保険に加入している労働者)が病気や怪我で仕事を休む必要がある場合に支給されるため、退職により健康保険の被保険者資格を失った後に発生した病気や怪我は対象にはなりません。
退職後の傷病手当金の申請タイミング
病気や怪我が発生した時点で、加入していた健康保険組合に対して行います。
退職前に病気や怪我が発生した場合でも、傷病手当金の申請には期限があります。
健康保険組合によって詳細が異なる場合があるため、具体的な申請期限については、加入していた健康保険組合に確認することが重要です。
必要な書類は、先ほどお伝えした傷病手当金支給請求書、医師の証明、給与明細書(病気や怪我が発生する3ヶ月分の給与を証明する書類)などが一般的です。
労災保険と傷病手当金の比較

労災保険と健康保険の傷病手当金は、労働者が病気や怪我をした際に経済的な支援を提供するための制度ですが、適用条件、支給対象、支給額などに違いがあります。
基本的には以下の違いがあります。
適用条件の比較
支給対象者の比較
支給額の比較
支給期間の比較
申請プロセスの比較
その他の特徴の比較
労災保険の補償は傷病手当金よりも手厚い

傷病手当金と労災保険は、労働者が病気や怪我によって収入を失った際に支援を提供する点で共通しています。
しかし、その適用条件や支給内容には大きな違いがあります。
もしも、精神障害の発病が業務に起因すると考えているのであれば、迷わず労災申請をしてください。
労災保険の給付の対象
労災保険の休業補償給付金は、業務上の理由(仕事中の事故や業務に起因する病気)や通勤途中の事故による怪我や病気で、労働者が仕事を休む必要が生じた場合に支給されます。
労災保険の給付
労災保険からの休業補償給付は、労働者の日額賃金の約60%(基本給付)になります。
特別給付もあり、結果として合計で日額賃金の80%の給付を受けることができます。
労災保険の休業補償給付
・基本給付:休業補償給付金は、日額賃金の60%が基準。
・特別給付:特別給付として日額賃金の20%が追加で支給される。
労災保険の支給期間
休業補償給付金は、初日から3日間は待機期間とされます。
4日目から給付が開始され、労働者が仕事に復帰するまで、または労災保険による治療が終了するまで支給が続きます。
傷病手当金と労災保険の両方の受け取りは不可
労災が発生した疑いがある場合は、まず労災保険の申請を行います。
しかし、精神障害の労災認定の審査には時間を要するため、結果待ち期間の生活費が心配です。
そこで、傷病手当金を申請することが経済的に負担の少ない選択肢となります。
繰り返しになりますが、労災保険の給付と傷病手当金の両方を受け取ることはできません。
これは、いずれも休業による収入減を補償する目的があるため、どちらか片方のみの給付となります。
労災保険の申請が認定されれば、そちらの給付を優先します。
これまで受け取った傷病手当金は返還手続きを行う必要があります。
私の実体験 労災申請をしながら傷病手当金を受給

ハラスメント上司から、労災申請をしたら傷病手当金の申請はできないと言われました。
しかし、健康保険組合に確認したところ、「労災申請中でも傷病手当金の申請は可能です。労災認定になった際に返金すれば問題ありません。」と教わりました。
加入している健康保険組合によって判断が変わる可能性もあります。一度、ご自身が加入している健康保険組合に確認してください。
もしも労災申請をしながら傷病手当金の申請はできると言われたなら、会社が妨害行為をしてこようが労災申請・傷病手当金申請、両方同時に進めてください。
私の場合、会社から些細な妨害行為を受けました。2つの事例を紹介します。
私の体験1 ハラスメント上司による労災申請の妨害
会社は労災申請を阻止するために、姑息な手段で妨害行為をしてきます。
労災申請を止めるよう上司から指示があった場合は、メールの履歴や音声録音を残して、労働基準監督署に妨害されている旨を伝えましょう。
やましいことがあるから隠したがる。会社の印象は悪くなり、労災申請者に有利に働くかもしれません。
もしも、会社が頑なに労災申請と傷病手当金の同時申請を拒んだ場合は、ご自身の加入している健康保険組合に確認をとり、電話オペレーターの名前を伺い、「健康保険組合のまるまる様から問題ないと説明された」と会社に伝えましょう。ここまですれば、会社は反論できなくなります。
労災と傷病手当金の同時申請する際のハラスメント上司とのやりとり
労災申請しますが、はじめは傷病手当金の申請をします。
健康保険組合に確認したら、労災認定後、受け取った金額を返金すれば問題ないと教わりました。だから、まずは傷病手当金の申請をお願いします。
先ほどお話しした通り、労災申請します。
暖簾に腕押しでした。
この出来事以降、新手の嫌がらせを受けることになりました。
嫌がらせ行為を受けるたびに体調不良になり、症状が悪化します。
私は、医師からうつ病と診断を受けています。そしてハラスメント上司は、その事実を知っているにもかかわらず、未だに嫌がらせを続けてきます。
このような状況は、傷害罪にあたる可能性があります。
そのため、民事・刑事訴訟を視野に入れて、休職中に受けた嫌がらせや、体調変化を綴った日記や写真(体重減少の証拠)といった証拠を残しています。
労災認定となったあと、民事・刑事両方のケースで訴訟を行う予定です。健常者を障害者にした責任は、しっかり取ってもらいます。
弱者が泣き寝入りする必要はありません。犯罪行為をしたハラスメント上司と会社には、適切な処罰を受けてもらいます。
そのためには、事実を証明する証拠が必要になります。
労災申請も同じく、証拠の有無で結果は大きく異なります。可能な限り、証拠を集めてください。
私の体験2 有給を使い切ってから休職開始の就業規則
うつ病と診断されて休職することになりました。
私が所属する会社の就業規則には、「休職をする際は有給休暇をすべて使い切ること」という定めがあります。
しかし、すべての有給を使ってしまうと、復職後に病院へ通院する際に問題が生じます。有給を使わず仕事を休むと欠勤扱い。人事査定(ボーナス額)に影響します。就業規則にはそのように記載してあります。
そのため、有給をすべて使い切らず、半分残せないかと交渉しました。
しかし、このような場合でもハラスメント上司は常套句を連呼しました。
私の職場のハラスメント上司は、毎日のように部下にサービス残業をさせて労働基準法を守りません。
そして、社内規則や人事査定という言葉を使い、優位的な立場を利用して、部下にハラスメントを行います。
勇気を出してサービス残業の事実を告発したときは、すべての責任を押し付けられました。
このような人格者のもとでは、部下は搾取されるだけ。
そのため、民事裁判・刑事裁判といった法律のもとに、わたしたち自身を守りましょう。
うつ病や適応障害は、長期にわたって仕事を休むケースが多いです。
もしも、社員想い上司がいる場合は、有給休暇の使用計画を考え、必要に応じて、臨機応変な変更を依頼しましょう。
会社の人事や労務担当部署とも連携を取りながら、適切な手続きを進めることをおすすめします。
記事のまとめ

今回の記事をまとめます。
労災申請しながら傷病手当金を受給して生活費を確保する
・労災申請と同時申請は可能。
・労災認定となった際は、これまで受け取った傷病手当金を返却すれば良い。
休職すると、会社には賃金支払い義務はありません。
労災認定が決まるまでの6か月〜12か月、無給で生活するのは経済的に厳しくなります。
そのため、まずは早い段階で給与の約6割を得られる傷病手当金を受給しながら、労災申請を進めましょう。
この記事シリーズでは、労災申請のプロセスを分かりやすく解説します。
あなたが直面している問題に対処するため、私の実体験に基づいた具体的なアドバイスを提供します。
あなたが抱える不安や疑問を解消し、適切な選択を選べるようサポートします。
あなたの苦痛は事実であり、その苦痛には正当な理由があります。
精神疾患発症の原因が業務であることを一緒に証明していきましょう。
このサイトが、あなたの労災申請が円滑になり、適切な手段を見つける一助となれば幸いです。